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黒之瀬戸海峡

今朝、玄関の戸を開けると、いきなり硫黄の匂いが鼻をつきました。
外に出ると、やはり、火山灰が降っています・・。
妻の白い車には黒く、僕の紺の車には白く、うっすらと灰が積もっています。
庭の木々も、干していた器材も、何もかも灰まみれです・・。
桜島が元気な時に、東よりの風が吹くと、こうなるんです・・。

というわけで、でもないのですが、今日は、鹿児島の東シナ海側の最北部、長島の海に行ってきました。
車で走ること約2時間。
お騒がせ市長ですっかり有名に(?)なってしまった阿久根市の黒之浜に到着です。
黒之浜は、阿久根市と長島に挟まれた黒之瀬戸海峡に面しています。

この黒之瀬戸海峡、「日本三大急潮」の一つに数えられる、恐るべき潮流の海峡です。
狭い海峡を抜けて八代海に出入りする海水は、潮の干満でまさに怒涛の流れを作るのです。
大潮の時などは、潮波と渦潮で、とてもこんなところには潜れません・・と、どん引きしてしまう場所です・・。

けれど、ここは本当に豊かな海。
栄養豊かな八代海の水と、南からの恵を運ぶ外洋水がぶつかって、海の中には命の輝きに満ちています。

こんな無茶な海に潜るのには、この海を知り尽くした黒之浜の漁師、梶尾勇市さんがいればこそです。
10年程前、知り合ったばかりの頃は、「よかど!流れとらんが!」と声をかけられても、どう見ても明らかに流れている海に飛び込むのに躊躇していましたが、流されながら必死で海底を目指していると、中層から流れがぴたっと止まっていた・・というのを何度も経験して、今は、梶尾さんが「よかど!」といえば、どんな海況でも飛び込んでしまえるくらい信頼しています。・・子供の頃には、この黒之瀬戸海峡で毎日泳いでいたというから恐れ入ります・・。梶尾さんの逸話を語り始めると、きりがないのですよ・・。

今日は、もう僕も四十ですから・・、無茶はせず、流れの本流から少し引っ込んだ入り江でのダイビングです。
入り江の奥は、砂泥底、海峡に近づくにつれ、砂の割合が高くなります。
飛び込むと、水は緑色。錦江湾に近くて和みますね。塩分濃度の違う水が絡み合って、モヤモヤしているのもなんだかワクワクです。
砂泥の斜面を降りていくと、所々にマダラヤナギウミエラの姿が見えてきます。
大きいものでは高さ50cmほど。なかなか綺麗です。

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より深いところへ移動していくと、その数はどんどん増えて、群生地となっていきます。
・・残念ながら今日は、海峡から差し込んでくる流れが弱く、伸びているのは全体の1/3ほどの数です。
多くは縮んで砂に潜っています。
複雑な潮と同じで、・・なかなか彼らの伸びるタイミングは読めないのです・・。
以前、海峡の真っ只中にある海底の砂丘に、潮止まり近くの緩い潮で入ったのですが、その時はもう、泳げど泳げと、一面のマダラヤナギウミエラの密集地で、不思議の国に迷い込んだような気分になったものです・・。

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所々には、こんなふうに海底から抜けて、だらんと脱力して、海底をずるずる流されていくものもいます。(彼らの移動方法なのでしょうか?)

つくづく不思議な生きものです・・・。

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by geikai_diver | 2010-02-07 23:50 | 長島
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